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組み込みAndroidポータブル #12

第12章 電源不具合を解決せよ

ビーグル君とお散歩を目指すプロジェクト。
前回は、モバイル電池を購入してUSB OTGポート経由でBeagleBoardxMに給電しましたが、バックライトが中途半端な明るさで、OSが全く起動しませんでした。

120513_power.jpg

今回はこいつを解決します。


解析
不具合写真をよく見てみると、DCジャック近くのLEDが赤く光っていることがわかる。
LEDのリファレンス番号はD13。
"BeagleBoard-xM System Reference Manual Revision A3"によると、過電圧検知するとD13が点灯すると書いてある。回路図と部品データーシートを睨めっこしてみたが、過電圧検知じゃなくて低電圧検知ではなかろうか?
Revision B → Revision Cの変更点で、この回路が変更されている。やっぱ間違ってたのでは?
Rev Bに話しを戻すと、この検知回路はDC5Vジャックの電圧を検知して、低電圧の場合はFETをOFFにするという仕組みと解釈した。今回はUSB OTGポート電源なのに検知しているのは、FETから電圧が回り込んでいるのだと思う。
つまりは、内部の電圧(DC_5V)が下がっているということだ。
実測してみると、USB OTGポート端の電圧4.8Vに対し、内部電圧(DC_5V)は2.8Vくらいだった。


原因
ビジネスメンは忙しいので結論から先に言うと、原因は「突入電流」だ。
変換基板の3.3V REG ICの回路に電解コンデンサを付けているが、これを外してみるとOSがちゃんと立ち上がる。
電源投入直後は、非常に短い時間であるが、電荷のたまっていないコンデンサに急激に電流が流れる。これが「突入電流」
そして、BeagleBoardxMのUSG OTGポートと内部電圧(DC_5V)の間には"TPS2141PWP"というICがあり、DCジャックの挿入有無を検知してスイッチしているだけかと思っていたが、電流を監視して制限していた。

ICのデータシートをざっくり意訳すると
・突入電流を抑えるために最初は最大100mAに制限している
・その後、出力側の電圧が入力側の93%以上に達したら制限を1800mAまでに引き上げる
ということだ。
何でこんなことやっているのかというと、USB規格で「USBデバイスがUSBホストから電源を得る場合に突入電流による急激な電圧低下を防ぐこと」と決まっているためだ。

しばらく待っていれば、93%に達しそうなものだが、LCD側の負荷により電解コンデンサにたまった電荷がすぐ使われてしまい、電圧が上がらない均衡状態が続いていると思われる。
とりあえず、原因はわかった。


対策
・電解コンデンサ削除
これでいいじゃん! と思うかもしれないが、電解コンデンサは飾りで付いている訳ではない。
実際に外してみると、非常に映像が乱れる。
却下

・給電をUSB OTGポートからDCジャック側へ改造
DCジャック側には電流制限を行うICは居ない。
しかし、BeagleBoardxMの基板に手を入れて改造するのは避けたい。値段高いしね。
またUSBケーブルを改造してDCジャックに変換する手もあるが、こりゃ面倒だ。
却下

・制限抵抗追加
突入電流を防ぐ対策として、間に抵抗を入れる案がある。
しかし、3.3V REG ICに定常的に流れている電流は235mA。
どれくらいの抵抗値が必要なのかはやってみないと分からないが、電圧降下を考えるとそれほど大きな抵抗は入れられない。また、無駄に熱として電力が消費されてしまい、電池の持ち時間を減らしてしまう。
却下

・インダクタ追加
突入電流を防ぐ対策として、間にインダクタを入れる案がある。
インダクタであれば、突入電流時は抵抗値が大きくなり、定常時は抵抗がほぼゼロになるので、無駄な電力が消費されずに済む。
しかし、手持ちのインダクタで試してみたが結果は変わらなかった。
ちゃんと特性を考慮して購入する必要がありそうだ。
保留

電源供給タイミングをずらす
電解コンデンサにしっかり充電させた後に、LCD側の負荷を繋ぐという作戦。
LEDバックライトの電流が支配的なので、ここにトグルスイッチを付けて、手動でバックライトをON/OFF出来るようにした。
120513_power2.jpg
スイッチを挿入する場所はLEDバックライト電流が直接流れている所ではなく、LEDドライバのEN(chip enable)端子。 キャリーボード上でプルアップされているので、トグルスイッチを使ってGNDとショートもしくはオープンを切り替えられるようにした。

トグルスイッチでEN端子とGNDをショートしたまま電源投入
(バックライトOFFのまま起動)
120513_power3.jpg

その後、トグルスイッチを切り替えてEN端子とGNDをオープンにする
(ちょいと遅れてバックライトをON)
120513_power4.jpg
※実際はandroidのロゴが出るまで待つ必要はない。電源投入直後1秒以内にスイッチを切り替えて問題ない
成功!
→ これを採用


結果
とりあえず、仮ですが組み直しました。
120513_power6.jpg

「これはビーグル君の"しっぽ"です。」と誤魔化す案もありますが
邪魔だし、手動で切り替える手間がかかるので何とかしたいと思います。


続く


必要な部品 [ 購入先 ]
・トグルスイッチ[マルツパーツ館]
・スズコート線材 1.2mm[マルツパーツ館]

参考にしたサイト
BeagleBoard-xM System Reference Manual Revision A3
BeagleBoard-xM System Reference Manual Revision C
TPS3803G15
TPS2141
FDC6331L
IFB-T043S(Carry Board)
RT9293(LED Driver)
Wikipedia(突入電流)
EDN JAPAN(USBデバイスの受電時に突入電流を制限)
宮崎技術研究所(良くわかる 実用ノイズ対策技術)

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エレクトリックバカ

Author:エレクトリックバカ

ポケコンでプログラミングに目覚め、PICマイコンで電子工作に希望を抱き、来たるべきUGDの時代を夢見て眠る。
そんな うだつが上がらないサラリーメン。
先生、電子工作はおやつに入りますか?




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